介護報酬は、法律上、事業所が所在する地域等も考慮したサービス提供に要する平均的な費用の額を勘案して設定されます。利用者に介護サービスを提供する従業員の賃金は地域によって格差があり、この地域格差を介護報酬に反映させるため、「単位制」を採用し、サービスごと、地域ごとに1単位の単価が設定されています。
また、各市町村に適用される級地(地域区分)は、公平性・客観性を担保する観点から、公務員(国家・地方)の地域手当の設定がある地域は、原則として当該地域手当の区分に準拠しつつ、隣接地域の状況によって一部特例が設けられています。
⬛️介護報酬の基本的な算定方法
サービスごとに算定した単位数×1単位の単価(サービス別、地域別に設定 10円〜11・40円)=事業者に支払われるサービス 費(1割、2割または3割は利用者の自己負担)
【サービスの種類別人件費率・2021年度から2023年度までの地域単価】※2024年度から変更の可能性あり
①70%→訪問介護/訪問看護/訪問入浴介護/居宅介護支援/定期巡回・随時対応型訪問介護看護/夜間対応型訪問介護
②55%→訪問リハビリ/通所リハビリ/認知症対応型通所介護/小規模多機能型居宅介護/看護小規模多機能型居宅介護/短期入所生活介護
③45%→通所介護/短期入所療養介護/特定施設入居者生活介護/認知症対応型共同生活介護/介護老人福祉施設/介護老人保健施設/介護医療院/地域密着型特定施設入居者介護/地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護/地域密着型通所介護
④0%→居宅療養管理指導/福祉用具貸与
【元・ケアマネの視点】
介護報酬の基本構造を理解しておくことは、介護事業所サイドからみると収益の源泉になるところだけに、特に重要な論点になります。提供したサービスの介護報酬は、翌月10日までに国民健康保険団体連合会(国保連)に請求し、国保連では請求月の翌月に支払いを行います。例えば、4月中(4月1日〜4月30日)に行ったサービス分は、5月10日までに請求書し、その支払いを6月に国保連より受けることになります。